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Introduction作品紹介

『サバービア』SUBURBIA

監督
リチャード・リンクレイター
脚本
エリック・ボゴシアン
撮影
リー・ダニエル
原作
エリック・ボゴシアン
出演
ジョヴァンニ・リビシ、 スティーヴ・ザーン、ニッキー・カット、 パーカー・ポージー

storyあらすじ

テキサス州オースティン郊外の架空の町バーン フィールド。ある夜、コンビニの駐車場に、 未来を見つけられない若者たちが集まる。
小説家志望のジェフ、夢を抱く恋人スーズ、 陽気なバフ、諦めをにじませるティム、リハビリ中のビービー。そこへ、地元を出てロックスターとなった旧友ポニーが現れ、いつもの夜に嫉妬や憧れ、焦りが波紋を広げていく。

about Movie本作について

映画は、退屈な夜のコンビニ前にも、名門小学校の教室にも、突然やってくる。会話のなかに青春の焦りを刻み、音楽のなかに人生を変える衝動を鳴らす。 リチャード・リンクレイターはいつも、横道にそれた時間と人々のなかに、かけがえのない映画を見出してきた。ジャン=リュック・ゴダール『勝手にしやがれ』の制作現場を描く最新作『ヌーヴェルヴァーグ』公開を記念し、リンクレイタ ーのフィルモグラフィから対照的な2本を期間限定上映。 若者たちの出口のない夜を描く『サバービア』、そしてロックが教室を解放する痛快作『スクール・オブ・ロック』。 "新しい波” は、いつだって道を少しそれた先から始まる!

about Director監督について

リチャード・リンクレイター

リチャード・リンクレイターは、1960年アメリカ・テキサス州ヒューストン生まれの映画監督・脚本家・プロデューサー。1980年代にオースティンへ移り、スーパー8カメラで映画制作を始め、1985年にはオースティン映画協会の設立に関わった。ハリウッドの大作映画とは異なる場所から、アメリカ・インディペンデント映画の重要な流れを築いてきた作家である。 初期の代表作『スラッカー』(原題:Slacker)は、オースティンの街に生きる若者や風変わりな人々を断片的に描き、リンクレイターの名を広く知らしめた。続く『バッド・チューニング』では、1970年代の高校生たちの一日を群像劇として描き、青春映画の作家としても評価を高めた。映画.comでは、『Slacker』を「91」、『バッド・チューニング』を「93」として紹介している。 国際的な評価を確立したのが、イーサン・ホークとジュリー・デルピーが主演した『恋人までの距離(ディスタンス)』に始まる“ビフォア”三部作である。同作はのちに『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』としても知られ、『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』へと続いた。男女の会話と時間の経過を軸に、出会い、再会、人生の変化を描くこのシリーズは、リンクレイターの作風を象徴する作品群となっている。 その後も、哲学的な対話をアニメーション表現で描いた『ウェイキング・ライフ』、フィリップ・K・ディック原作の『スキャナー・ダークリー』、ジャック・ブラック主演の音楽コメディ『スクール・オブ・ロック』、実話をもとにしたブラックコメディ『バーニー みんなが愛した殺人者』など、ジャンルを横断しながら作品を発表してきた。商業映画、インディペンデント映画、アニメーション、青春映画、会話劇を自在に行き来する幅広さも、リンクレイターの大きな特徴である。

2014年の『6才のボクが、大人になるまで。』では、同じ俳優たちを長期間にわたって撮影し、少年と家族の成長を実際の時間の流れと重ねて描いた。同作はリンクレイターの代表作の一つとされ、時間そのものを映画の構造に取り込む彼の作家的関心を、最も明確に示した作品でもある。 近年も、『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』、『アポロ10号 1/2 宇宙時代のアドベンチャー』、『ヒットマン』などを手がけ、さらに『ブルームーン』では作詞家ロレンツ・ハートを、『ヌーヴェルヴァーグ』ではジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』をめぐる映画史的題材を扱っている。『ブルームーン』については、日本の公式情報でもロレンツ・ハートを描く作品として紹介されている。 リンクレイターの映画は、劇的な事件よりも、会話、時間、記憶、偶然の出会い、人生の選択に焦点を当てることが多い。若者の一日、恋人たちの長い対話、家族の成長、映画や音楽をめぐる創作の現場——題材は多岐にわたるが、その根底には、日常のささやかな瞬間の積み重ねから人生を見つめる一貫したまなざしがある。

keywords作品理解のためのキーワード検索

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  • 3会話劇
  • 4出口のない青春
  • 5ジェネレーションX

SubUrbia/郊外

原題の “SubUrbia” は、「郊外」や「郊外的な暮らし」を意味する “suburbia” を踏まえたタイトル。都市の外縁にある町で過ごす若者たちの退屈、行き場のなさ、将来への焦りを読み解く手がかりになるだろう。

モラトリアム

進学や就職、恋愛、夢や成功への思いを抱えながらも、登場人物たちはまだ次の一歩を踏み出せずにいる。登場人物それぞれの迷いや停滞を通して、若者たちが人生の岐路に立つ姿が浮かび上がる。

会話劇

本作では、大きな事件の展開よりも、登場人物たちが交わす言葉の応酬が物語を動かしていく。冗談、皮肉、苛立ち、衝突の積み重ねによって、それぞれの人物像や関係性、郊外でくすぶる若者たちの閉塞感が浮かび上がる。

出口のない青春

本作が描く青春は、希望に満ちた成長の時間というより、抜け出せない日常の中で感情をこじらせていく若者たちの姿である。嫉妬、焦り、自己嫌悪、怒りが交錯し、郊外にとどまる彼らの息苦しさがにじみ出る。

ジェネレーションX

1990年代の若者文化を背景に、将来への不安、社会との距離感、無気力、反抗的な態度が登場人物たちの姿に重なる。郊外でくすぶりながらも、どこへ向かえばよいのか分からない彼らの感覚には、当時の若者世代の空気がにじんでいる。

作品情報テキスト/

1996年 / アメリカ / カラー / 121分