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Introduction作品紹介

『スムース・トーク』SMOOTH TALK

Girls, Girls, Girls 映画のなかの女の子たち

監督
ジョイス・チョプラ
脚本
トム・コール
原作
ジョイス・キャロル・オーツ
撮影
ジェームズ・グレノン
出演
ローラ・ダーン、トリート・ウィリアムズ、メアリー・ケイ・プレイス、 エリザベス・ベリッジ

storyあらすじ

15歳のコニー(ローラ・ダーン)は母親や姉との関係に苛立ちを抱えながら、退屈な田舎町で思春期の不安と好奇心を募らせている。大人びた服装と化粧で背伸びをし、友人たちとショッピングモールやアイスクリームショップを巡り、出会いを楽しむ毎日。そんな中、彼女は車で通りがかった謎めいた年上の男、アーノルド・フレンド(トリート・ウィリアムズ)に声をかけられる。彼の甘く親しげな言葉に、コニーは一瞬心を揺さぶられるが、同時にどこか不安を覚える。ある日、家族が留守の家にアーノルドが現れ、優しい口調で執拗に誘いをかけるが、その態度は次第に不気味な圧力を帯びていく……。

about Movie本作について

ジョイス・キャロル・オーツの短編小説「Where Are You Going, Where Have You Been?」を原作に、ジョイス・チョプラ監督が繊細かつ力強く映像化した本作は、思春期の少女が直面する危うさと目覚めを静かに、しかし確実に描き出す心理ドラマである。ローラ・ダーンが映画初主演で見せる瑞々しい演技は、少女の無垢さと脆さ、そして芽生える自我を見事に体現。平凡な日常に潜む不穏な空気が、見る者にじわじわと迫る。 1985年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞し、その後もフェミニズムや#MeTooの文脈で再評価されている。あからさまな暴力ではなく、女性が日常的に直面する「見えにくい支配」を描き、「被害とは何か」「拒否できない空気とは何か」という問いを見る者に静かな衝撃を持って突きつける静かな衝撃作!

about Director監督について

ジョイス・チョプラ

監督:ジョイス・チョプラ 1936年アメリカ・ニューヨーク州生まれの映画監督・プロデューサー。女性の視点から社会や個人を鋭く描く作品で知られる。1960年代から映像制作の道に入り、ドキュメンタリーの世界でキャリアをスタート。D・A・ペネベイカーらとともにシネマ・ヴェリテの技法を学び、携帯型16mmカメラを駆使して、家庭や女性の生き方に迫る作品を数多く手がける。 1972年の『Joyce at 34』では自身の出産を記録し、女性監督としての個人的かつ政治的な視点を提示。その後も少女たちの成長や社会の変化を捉えた『Girls at 12』、『Clorae and Albie』などを発表。1985年には『スムース・トーク』で長編劇映画デビューを果たし、サンダンス映画祭グランプリを受賞。以降もテレビ映画やドラマを中心に活躍し、女性たちの内面や葛藤を誠実に描き続けている。

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作品情報テキスト/

1985年|アメリカ|カラー|92分